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ある誘導剤の被曝量応答関係はきわめて低い被曝量に至るまで直線を示しますが、この関係の認識には1般的な1致があります。
つまり、発がん効果の増進が、被曝率増大に対応して生じます。
対照的に、促進剤がその範囲内では影響がない闘値を示す事実の認識も1般的に1致しています。
動物実験の結果から、ダイオキシン所与量に曝された人たちのがん罹病率を推測する目的で、数学モデルが開発されました。
その1部はダイオキシンを開始剤(もしくは、両方の影響の能力を示す完全な発がん物質)と考え、他は促進剤と考えています。
開始剤を基本にしたモデルから算出したがん確病率は、促進剤を基本にしたモデルから算出したそれより1般にかなり大きい。
環境保護庁の1985年ダィオキシン危険率評価の場合、ダイオキシンは促進剤ではなく、完全な発がん物質だと考えています。
ダイオキシンが化学物質被曝から腫瘍の発現に至る生物学的プロセスで果たす役割に関連して、科学上の不同意が表明されます。
このプロセスは、2つの主な連続手順で特長づけられます。
第1に、ある物質(開始剤)は被曝細胞に不可逆性の遺伝子変化を引き起こし、その結果細胞が増殖して、腫瘍を形成する可能性を与えます。
次に、もう1種の物質(促進剤)は誘導細胞を増殖させ、腫瘍を発生させます。
さらに、科学上の問題は、環境規制を目的とする予防取り組みにとってもまた1時しのぎの取り組みにとっても重要です。
市民は、この種の問題に対して、科学上の不同意を表明する権利をもっていると私は考えています。
これから、このことに関連してお話したい。
これまで、私たちは、仮説とこれを根拠にする数学モデルのみ使用してきました。
これから、実験で確認した事実を急いで見直してみましょう。
ダィオキシンは、それ自体、開始・促進両方の能力をもつ完全な発がん物質と同様に作用し、鼠にがんを発生させます。
しかし、それが、開始剤としての診断学上の性質を示さないことも明らかです。
つまり、遺伝子毒性は示さず、突然変異も起こしません。
従ってダイオキシンは促進剤に違いないと考える専門家がいます。
ダィオキシンは、以前使用した開始剤の発がん効果を急速に増進します。
しかし、ダィオキシンは、促進剤としての診断学上の性質も示しません。
つまり、それを原因とする細胞増殖の明確な証拠もありません。
次に、ダイオキシンは、開始剤(もしくは完全な発がん物質)または促進剤のいずれでもありません。
従って、開始剤/促進剤説は、がん罹病率に対するダイオキシンの影響を説明する手段にはならず、これらの仮説のいずれかに根拠を置くがん罹病率評価モデルは有効ではありません。
しかし、ダィオキシンのみに曝された鼠が、その投与量に比例する大きな腫瘍罹病率を示すことは、いまだに疑う余地のない実験を通じて確認される事実です。
開始剤/促進剤理論によれば、これは完全な発がん物質の挙動です。
しかし、ダィオキシンは突然変異誘発性が欠けているので、開始剤ではなく、従って(この理論によれば)完全な発がん物質です。
それは、発がん物質と同様の挙動を示し従って、ダィオキシンに曝されると、完全な発がん物質の有効濃度はかなり増大するでしょう。
影響はかなり強力です。
従って、ダィオキシンは、明らかに実験室の食料、水、空気中に存在する少量の発がん物質の活性を十分増進する可能性があり、従って腫瘍罹病率は実験動物にダイオキシンのみ授与したときに観察されるそれより高くなります。
こうして、ダィオキシンが存在すると、発がん物質の濃度が増進します。
その影響に関しては、環境保護庁が1985年危険率評価で使用した線形モデルから最良の推測値が得られます。
ダイオキシンは、実際に発がん物質の活性を強化して、腫蕩の発生に影響を与えます。
しかし、この挙動はこの理論の範晴で説明できないものです。
がん罹病率に対するダイオキシンのきわめて強力な影響をめぐる、この逆説を説明しないデータも広範に存在します。
そのなかには、ダイオキシンが、アリル炭化水素上ドロキシラーゼとして知られる酵素(AHH)の活性を大幅に増進するという事実を示すものもあります。
この酵素は、大多数の環境に存在する発がん物質の活動に必要な3与物質で、化学的にそれらを活性剤に転化します。
環境保護庁課題戦力チームは、環境保護庁の1985年危険率評価値が19倍も高い―余りに高すぎるーと決定しました。
これまで簡略に述べてきた背景を念頭に置いてどういう経過で、この決定を行ったか調べてみましょう。
このチームの報告書案では、完全な発がん物質を根拠にする危険率評価に加えて、他の機関が開発した別の危険率評価も行っており、この評価値は環境保護庁の1985年評価値よりほとんど低いと述べています。
これら低い方の危険推測は、ダイオキシンが促進剤だとする仮説を根拠にしています。
課題戦力チームは5つの危険率推測値を考察しています。
推測値(罹病率100万分の1を与えると予測されるダイオキシン被曝量)の範囲は、0・0.06〜10ピコグラム)//日です。
最低推測値ー基準被曝量。
0.06//日―は、環境保護庁の1985年危険率評価で得たものです。
適正な危険率評価値は、この範囲の中間02//日ーで、この値は、環境保護庁の1985年危険率評価値より16倍高いと課題戦力チームは結論しました。
この結論には、正しくないきわめて基本的な問題点が存在します。
第1に、様々な危険値の平均化手順が有効であることを認めるとすれば、データ・ベースは著しく不完全です。
報告書案は、そのデータと同等に矛盾がないと認められ、環境保護庁の1985年危険率評価値より10〜100倍も大きい危険率をそれぞれ与える追加危険率評価2件を挙げています。
報告書案が、この中間点の算出に使用する範囲のこれら危険率評価値を記載していないことについては説明がつきません。
これらの数値を記載すれば、中間点は報告書が選んだ0.1//日ではなく、およそ0.01//日付近になり、従って環境保護庁の1985年危険値0.06//日が妥当であることが確認されます。
しかし、私は、この方法そのものが、データ・べースのおかしな縮小よりも嘆かわしい、科学上の手順に対する冒涜になる事実を発見しました。
1つの例え話で、私の問題意識の最良の説明が可能だと思います。
1M柵閉め切った部屋に動物が1匹いると仮定しましょう。
以前の実験でこの動物は咳むということが分かりましたが、その程度は決定できませんでした。
科学課題戦力チームが、佼害危険率を評価するため部屋に呼びこまれました。
意見が分かれました。
「私たちはこの動物をライオンだと考えており、適切な数学モデルを応用すれば、咳害危険率が100万分の10と算出できます」と、1グループが主張します。
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